リレー日記 2021/7/22

遺影 めっちゃホリディ

 written by 草間 和心 投稿日時:2021/07/22(木) 22:02

草間です。

助けてください。夏に殺されます。 
夏休みが来てしまいました。

ずいぶんと前から、夏休みになったらやりたいことを思う存分やってやろうと、自由を謳歌してやろうと息巻いていました。
無いのです。やりたいことが。何一つ。
何かやりたいことがないか自分に問うてみても、ただ空白が脳を占拠し、無為に時間が過ぎ去るばかりです。そのくせ、なにかをやらなければという焦燥感だけが私に迫り続けているのです。

とりあえず外に出ればやりたいことが思い浮かぶだろうと、甘い考えを抱いたこともありました。しかしながら、外を歩いてみてもただ徒に時が流れるだけでした。この間の休日には、所沢駅周辺を無意識に徘徊しているだけで2、3時間が経っていました。40年後の自分の姿を垣間見ているようで、空恐ろしくてたまりませんでした。

気がつけば、学生生活もおよそ半分。ここで何かをしなければ、生涯を空虚のまま終えてしまうと、ただ死への道を一途に辿るだけの人生になってしまうと、そういう考えが私を急き立ててやまないのです。
日常を充実させなければならない。ある種の強迫観念とも呼べるこの義務感が、今にも私を殺さんと迫ってきます。

ああ、助けてください。私の胸の内で燻り続ける焦燥感は、夏の陽射しに照りつけられて激しさを増し、今にも私自身を燃やし尽くして灰燼に帰す勢いです。私は夏に殺されます。夏の太陽に殺されます。
カミュの『異邦人』で、ムルソーは殺人の動機を「太陽が眩しかったから」と述べました。太陽が眩しくて殺人を犯してしまうのならば、太陽が眩しくて死んでしまうのも同様にあり得るのではないでしょうか。いや、きっとあり得ます。
太陽神ラーは自分を崇めない愚かな人間を滅ぼすために、鮮烈な光を放つその眼から戦の女神セクメトを生み出しました。きっと愚かな私も太陽によって裁かれるのです。

昔の人は「お天道様は見ている」とよく言いました。私が部屋の両窓に段ボールを設置し、日光が全く入らないように遮断していた行いも全て見られていたのでしょう。今こそ、その罪が裁かれるときなのです。
私はなんと罪深い人間なのでしょうか。父、母、兄には申し訳が立ちません。慚愧に堪えないとはこのことです。
来世ではきっと、太陽を愛する人間になると誓います。いや、むしろそんなんじゃダメじゃない
だってココロの奥は違うんじゃない?
オレの青春そんなもんじゃない
熱く奥で果てたいよ
きっとキミじゃなきゃやだよ
オレはイケナイ太陽



次は上妻くんです。後は頼みました。

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