リレー日記

法規走行

投稿日時:2024/05/12(日) 23:54

お疲れ様です。草間です。
みなさんのゴールデンウィークの思い出は何ですか?
僕は何もありません。
部屋で気絶していたら終わっていました。
ということで冬休みの話をします。

昨年のクリスマス、僕は中国の国境にある町、東興市にいました。ここからベトナムに渡るためです。
国境沿いのショッピングモール。某ハンバーガーチェーンから略奪したロゴマークが掲げられている。

越境した先の町・モンカイのバスターミナルで、今から一番早い時間でハノイに到着したい旨を伝えると、8人乗りのワゴンバスに乗せられました。
騙されました。
本来なら4時間弱でつくはずの道が7時間以上もかかりました。別に道が混んでいたとかスピードが緩かったとか、そういう訳ではありません。
むしろ今まで乗ったどの車よりも飛ばして走っていました。恐怖を感じるほどに。

ベトナムの高速バスには旅行者の間で「走る棺桶」という二つ名があり、その運転の荒さは昔から有名でした。僕もそれを聞いていたので、乱暴な運転については承知しているつもりでした。
実際、ありえない頻度でクラクションを鳴らしたり、当たり前のように向かいから逆走車が突っ込んできたりしましたが、数十分も乗っていれば慣れました。

問題は、この「走る棺桶」という名前が実態にそぐわないことです。この名前を聞くと、まるで乗客が死の運命に晒されているかのように思えますが、そうではありません。
僕が何よりも恐ろしかったのは、自分の乗っている車がいつ人を殺めてしまうかということでした。
道路を横断する歩行者やバイクを轢き殺しそうになった回数は十指に余ります。僕が感じていたのは、自分の死に対する恐怖ではありません。自分が殺人者の運転する車に同席し、人の死に加担してしまう恐怖でした。

そんなバスが目的地に到着するのが遅れたのは、途中で何度も寄り道をしていたためです。
ベトナムのバスは運送業を兼ねていることが多く、荷物の受け渡しであちこちに寄っていました。また、どこからか電話が掛かってきて突然の乗客を拾うこともありました。

結局誰一人殺すことなく無事に目的地のハノイに到着することができましたが、車に乗っていただけなのに疲労困憊してしまいました。他人の死を厭わない人以外はベトナムの高速バスに乗ることをおすすめしません。

その後も700kmバイクで走ったりパスポートを質に取られて帰れなくなりそうになったりしましたが長くなるので割愛します。


次は上妻です。

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